九州大学、農研機構、香川県及び、東北大学の共同研究。オープンイノベーション研究・実用化推進事業(JPJ011937)1)により実施。
茎枯病(病原糸状菌:Phomopsis asparagi)とは、主に露路栽培で降雨での泥の跳ね上げにより菌が圃場を移動しながら感染する。アスパラガスではよく聞く病害のひとつである。
この研究のおもしろいところは、難育種であった茎枯病耐性のある品種を作り出したところで、掛け合わせの片方に日本固有種のハマタマボウキ2)を用いている。ぱっと見ハマボウキは砂場に横たわる藻のようだった。
従来の品種はほとんどが茎枯病に弱いため育種が難しかったのと、ハマタマボウキと育種の進んだアスパラが交配可能ということが新品種開拓の推進力になったようだ!!この2つが交配できたのがすごい。
引用 http://ameba.i.hosei.ac.jp/BIDP/MakinoCD/makino/prep_j/MAK137004.html
これまで茎枯病は発生して広がると壊滅的になり改植を必要としていたが、その問題も大きく改善されそうだ。
これまでは、アスパラの露路栽培は本州から北がメインであったが、この品種のおかげで温暖地域での露路栽培も可能になるかもしれない。アスパラの太さが細いというデメリットもあるみたいなので今後のさらなる研究を待ちたい。
参考URL
http://ameba.i.hosei.ac.jp/BIDP/MakinoCD/makino/prep_j/MAK137004.html
注釈
1)オープンイノベーション研究・実用化推進事業とは:生研支援センターでは、従来の常識を覆す革新的な技術・商品・サービスを生み出していくイノベーションの創出に向け、「知」の集積と活用の場による研究開発を重点的に推進する提案公募型の研究開発事業
2)アスパラガスと同じクサスギカズラ属に属する日本固有種で、環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠΒ類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)として掲載されている。
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